前回の記事では、ETH2.0へとアップデートが実行される上で、コンセンサスアルゴリズムの変更についての記事を書きました。今回は第二編として、シャーディング機能の追加について記事をまとめます。前回の記事、まだ読んでいないよという方いらっしゃれば下記のリンクから先にお読みください。
1,現状の課題
仮想通貨、ブロックチェーン技術の抱える課題として「トリレンマ」が挙げられます。
トリレンマとは、スケーラビリティ(通信速度)、分散化、セキュリティの3つの要素を同時に成り立たせることが難しいことを指します。イメージとしては、セキュリティを担保しながら決済速度を高速化することが難しいということです。
それを解決するために考案されたのが、シャーディングという技術です。]

今後、ブロックチェーンの技術が進行し、利用が急増する中、現状の貧弱なブロックチェーンのプラットフォームでは、急激な成長に水を指す結果となりかねません。ですから、セキュアな環境を維持しながら扱うことのできるデータを増やさなければなりません。
2,BitcoinとEthereumの違い
今回大幅アップデートが完了すれば、Ethereumは今後、ブロックチェーン市場の拡大に対応できるよう進化します。そもそも、ETHはBitcoinの目指したような非中央集権的な金融を目指したものではありません。あくまで、通貨としてのETHはEthereumというブロックチェーンプラットフォームを潤滑に回すための燃料であると私は考えています。(需要があればこの辺りについても記事書きます。)つまり、BTCは仮想通貨を運営するためのブロックチェーン、ETHはブロックチェーンを回すための仮想通貨と私は考えています。
話が脱線気味になってしまいましたが、簡単に言えばブロックチェーン市場の拡大を見込み、需要を獲得するためのアップデートと言えるのではないでしょうか。
3,シャーディング実装へのフェーズ
前回の記事にも書きましたが、今回のアップデートSerenityは巨大なアップデート故、 一度にシステムを変更すると予期せぬ混乱が生じる可能性があります。そこでアップデートのフェーズを4つに分割し、段階を経て更新していきます。以下で4つのフェーズを細かく紹介していきます。

①Phase 0(今回)
Beacon Chainというランダムな番号を割り当て、データの整理をするための司令塔のようなチェーンを追加します。次のPhase1では64個のシャードチェーンの追加により大量のトランザクションを処理が予定されているため、その準備を行います。このPhase0はETH2.0用ですが、ETH1.0も並行して稼働します。ETH2.0に変更することもできますが、フェーズ1.5が到来するまで引き出すことができないためご注意ください。
②Phase 1
ここではまず64個のシャードを実装します。64個のシャードを使っても大量のトランザクションを問題なく処理できるかをテストします。現状、1本のブロックチェーンを利用しているわけですから、64個のシャードチェーンが追加されると理論上は64倍の処理能力になるわけです。
③Phase 1.5
ここでETH1.0とETH2.0を統合します。
④Phase 2
より多くのシャードを追加し、データ処理、大幅なトランザクションの増加が可能になります。
すべてのフェーズが2021年内に終わる見込みとなっています。単なる「デジタルゴールド」とは一線を画した仮想通貨だと思っています。もちろんアルトコインの中にも優れた性能を持つものはありますが、時価総額はBitcoinに比べ第2位とその存在感は大きいです。
5,まとめ
株式投資家としては、本格的にブロックチェーンのプラットフォームが稼働を始める(2021年)ので、例えばブロックチェーンゲームが本格的に流行を始めないかな、なんて考えています。
ETH2.0についての記事はいかがでしたでしょうか、なんとしてでもアップデート前にアップロードしたかったために第二編が少々物足りないと感じたかもしれませんが、定期的に追加情報あれば加筆していきますので、ぜひたまにチェックしてみてください。ありがとうございました。
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