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【トヨタ参入】全個体電池とは

【追記】12/12トヨタの全個体電池を利用したEVに関するニュースが出たため追記しました。

●トヨタ、ゲームチェンジャーとなるか!?

先日、2021年トヨタは10分の充電で500km走行できる(かもしれない!?)EVをデビューさせるとのニュースが報じられました、

そもそも、これまでトヨタがEVへの参入を推し進めることのできなかった原因として、トヨタの抱える多くの従業員、関連会社、子会社があると思います。EVに転換すれば、必要なパーツは大きく変わり、倒産、失業などの問題が懸念されます。また、トヨタEVに参入しないのは「現状のリチウムイオンバッテリーでは安全性に欠けるため」と説明していました。

しかし、トヨタもついにEVへの本格参入を決めたようです。

この記事は、一体なぜ全個体電池はこれほど注目されているのか、何が凄いのかについて紹介した記事です。

関連銘柄についても少し載せているので読んでいただけるとありがたいです。

<この記事の要約>

私たちの身の回りに数多く存在しているiPad,iPhoneなどの情報端末、テスラや日産の電気自動車などには、何回でも充電することのできるという特徴を持つリチウムイオン電池が搭載されています。

しかし、リチウムイオン電池には高温、衝撃に弱く、発火、爆発するという危険性があります。誰も爆発物を耳に押し当てたり、爆発物に乗ってドライブに行きたいなんて思いませんよね?。

そこで、より安全性の高く新時代のバッテリーと期待されている全固体電池への期待が高まっています。

全固体電池は電池の内部の電解液と呼ばれる電気を発生させるのに必要な液体を固体に変更するという研究です。

全固体電池の実現により、電解液の発火を防ぐ、充電時間を短縮、電池セルを多層化することで電池の小型化できるなど様々なメリットがあります。

これから様々なIoT機器への導入が検討されていると言われており、2035年には2兆7000億円の巨大市場に成長すると予測されています。さらなる研究の進展に期待したいですね。

【関連銘柄】

【村田製作所】:2020年度中に100,000/月の量産開始予定 酸化物系のセラミックを固体電解物として採用、業界最高水準の性能(FDKの100倍)と自負。

【TDK】;オーストラリア工場においてCeraChargeという製品を2万~3万/月の量産開始。酸化物系のセラミックを固体電解物として採用。

【FDK】: すでにSoliCellという製品をサンプル出荷開始、酸化物系の固体電解物を採用

【三井金属鉱業】;硫化物系の固体電解物を開発、硫化物系に比べると安全性に劣るが大量生産が容易

【オハラ】:酸化物系の固体電解物LICGCを開発、低温に強み

【トヨタ、【パナソニック】;合弁会社を設立し、全固体電池など次世代電池研究開発。

【東レ】:リチウムイオン電池のセパレータシェアトップクラス、セパレータ不要の全固体電池開発見据え全固体電池用材料開発

詳細な記事は下記

<既存のリチウムイオン電池の構造>

リチウムイオン電池は、正極、負極、電解液で満たされており、正極側と負極側はセパレータという隔壁によって区分けされ、構成されている。

正極側と負極側を分けるセパレータは特殊な構造をしており、イオンは通すが電子は通さないという特徴がある。セパレータには微多孔質に加工したポリオレフィンなどが用いられ、【旭化成】や【東レ】のシェアが大きく【三菱製紙】が不織布を利用したセパレータを開発しているようだ。

下の図は充電時のバッテリーの様子である。リチウムイオンが電解質により運ばれ、正負の電極の間を移動し、電子が流れ、エネルギーが蓄えられたり放出されたりする。

では、リチウムイオン電池には、なぜ発火する危険性があるのか、それは先ほど示した構造に原因がある。発火の原因として大きく2つあり、

1つ目は正極と負極のショートによるものだ。先ほど説明した通り通常セパレータはイオンを通すことがあっても電子を通すことはない、しかし、何らかの衝撃、圧力により正極と負極の間で直接電子のやりとりが可能になってしまう、つまりショート(短絡)が発生してしまうと正極負極間での化学反応が異常に起こり、高熱を発したりガスが発生したりする。

発生したガスが電池セルを破壊し破裂、可燃性の有機物からなる電解液に引火する。皆さんも乾電池をショートさせて遊んだ記憶があるかもしれませんが、リチウムイオン電池は出力が乾電池に比べ大きいためかなり危険ですのでご注意ください。

2つ目には、熱を持ちやすい構造でありながら、熱に弱い性質があることだ。さらに近年ではより安価で小さく薄いデバイスの開発が求められた結果、排熱構造に欠陥があり、異常な発熱によって、電池内の化学反応がさらなる化学反応を発生させ異常発熱や爆発につながることがある。

しかも、水と反応して発火するリチウムを電池に利用しているため電解液に水を使えず、電解液に可燃性の有機物を使わざるを得ず、一度燃え始めてしまうとかなり消火が難しいという特徴も持つ。

様々な現状の電池の欠点を解決してくれるかもしれないと期待されているのが全固体電池だ。

全固体電池とは

全固体電池とは、電流を発生させるために必要でこれまで液体だった「電解質」を固体にした仕組みの電池のことである。

(近年では安全性を高めるためにゲル状の電解質が使われるリチウムイオンポリマー電池も開発、流通しているが、ここでは電解質が完全に個体の全固体電池について扱う。)

電池は主に「電極」「活物質」「電解質」で構成されていると先ほど説明したが、イオンが電解質のなかを動き回ることで電子を通し電気を発生させています。つまり、電池を構成する電解質は「イオンが素早く移動できる特性」を持っていなければならない。 これまで固体には高い導イオン性がないと考えられてきたものの、近年研究によって克服されつつある。

全固体電池の特徴

既存の液体電解質では低温で凍結しイオンの流れが滞ってしまうため低温に弱く、また高温では化学反応が異常に発生する熱暴走を引き起こすために、バッテリーを利用可能な温度の幅が小さかった。

一方、酸化型固体電解質では製造する際に焼成というセラミックを焼き上げる工程を経るために高温には非常に強い特徴がある。又、開発当初固体電解質は低温での動作に課題があると懸念されてきたものの研究によってその弱点も克服されつつある。

また、固体電解質そのものがセパレータの役割を果たすためセパレータ需要がなくなる。近年のリチウムイオン電池の需要急拡大によってセパレータ製造ラインを増設してきた企業は対応が求められる。

研究されている固形電解質には酸化型と硫化型の2種類があり、【TDK】,【村田製作所】、【FDK】などが開発を進める酸化型は安全性が非常に高い反面、工程が複雑で製造にコストがかかる特徴がある。

一方、【三井金属鉱業】が製造している硫化型の電解質は工程が極めて単純で量産、低コスト生産が容易である反面、水に反応して硫化水素が発生するという弱点も持ち合わせる。導イオン性やエネルギー密度などに関しても様々な違いが見られるが、現在開発の主流となっているのは酸化型である。

電解質を固体化することで今回上場する【QuantumScape】(ティッカーシンボル 【QS】)は、全固体電池は既存のバッテリーに比べエネルギー密度がより高く、また、高速充電が可能で、発熱しづらく熱に強い特徴を持つ。したがって、これまで以上に過酷な環境で利用することができたり、バッテリーに冷却システムを搭載する必要がなくなると発表している。

未だ性能の面では既存のリチウムイオン電池に比べ見劣りするものの今後さらなる研究の発展に期待したい。

【負の影響を受けると考えられている関連銘柄】

【三菱ケミカル】【宇部興産】電解液供給している。

【森田科学工業】【ステラケミファ】電解液製造のための電解質供給

【旭化成】【東レ】【住友化学】【宇部興産】【日立マクセル】【東燃ゼネラル】

全固体電池で不要になるセパレータ供給 旭化成は世界シェア5割

まとめ

様々な利点が予見されている全固体電池ですが、これから市場が誕生し、急速に発達していくと予見されます。まだまだ私たちの生活のそばにやってくるのは先のことかもしれませんが、投資家として動向に注視し、IRに注目しているといいことがあるかもしれませんね。

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