新型コロナのワクチンが普及しつつあり、景気回復への期待が高まっています。
それを反映してか、ここ数か月で銅が大きく値を伸ばしました。
銅のようなコモディティへの投資は、先物やそれに連動するETFで行うのが一般的です。
しかしある別の方法で投資することで、実はパフォーマンス(運用成果)を大きく変えることが可能です。
今回はそんな裏ワザ的な方法を紹介します。
ここ数か月の銅の値動き

出展: Investing.com
昨年(2020年)の3月より力強い上昇トレンドを描いていることがわかります。
特に今年に入ってからの伸び率が高く、これには
①世界最大の消費国である中国*1の景気回復期待
②ガソリン車の数倍の銅を使用する電気自動車*2の普及期待
などの理由があると推測できます。
*1 出典:一般社団法人 日本伸銅協会
*2 出典:日刊工業新聞
銅に投資するには?
銅に投資する一般的な方法を2パターン紹介します。

①先物、CFD
先物やそれに連動したCFDを用いることで銅に投資することができます。
一番直接的な投資方法ですが、限月(強制決済日)までに手じまいをする必要がある欠点もあります。
CFDであれば手じまいする必要はありませんが、追加で手数料がかかります。
②ETF
証券取引所に上場し、株と同じように取引できるETFを利用する方法もあります。
東証であれば、
WisdomTree 銅上場投信(1693)がそれにあたります。
ETFのメリットは株と同じ口座で簡単に投資できる点です。
一方で減価というデメリットもあります。
上述の通り、先物には限月があります。
一般的に、限月が先にある先物ほど値が高くなります。
なぜなら、保管などにかかるコストが先になればなるほど高くなるため、その分の価格が込みになっているためです。
この状態を「コンタンゴ」と言います。
コンタンゴの状態では、先物の限月を先に繰り伸ばす度に追加コストがかかるため、ETFはその分の価値が減少(減価)します。
このような性質があるため、コモディティのETFは長期保有に向きません。
裏ワザ?〇〇に投資すると…
実はこれらの方法以外でも銅などのコモディティに投資する方法があります。
その方法とは、「鉱山株」に投資することです。
採掘している資源の価格が上昇すれば、当然のことながら鉱山会社には追い風になり、収支が向上します。
株価もそれに伴って上昇する場合が多くあります。
なぜこの方法が「裏ワザ」的なのかと言うと、先物やETFに投資する場合よりもパフォーマンスをよくできる可能性があるためです。
その仕組みをこれから説明します。
オペレーティング・レバレッジとは?
銅の価格が1000
A社の採掘コストが500
利益は差し引きの500
という場合を想定します。
この状態で銅の価格が1000から2000になると、
採掘コストは500なので
A社の利益は500から1500に上昇します。
どうでしょうか
銅価格の上昇は2倍なのに対して、利益は3倍にもなっています。
これがオペレーティング・レバレッジです。
このように、コモディティそれ自体の上昇よりも利益の上昇が大きいので、パフォーマンスをよくできる可能性があるというわけです。

銅山株を紹介!
・サザンカッパー(SCCO)
主にペルーとメキシコの銅山を運営している会社です。
・フリーポート・マクモラン(FCX)
アメリカ、ペルー、チリ、インドネシアなどの銅山を運営しています。
また世界最大のモリブデン生産業者でもあります。*3