世界中から金とチャンスが集まる米株市場
その中で特に注目の銘柄をご紹介します。
今回紹介するのは絶大な粗利率をほこるeスポーツ企業、Skillz Inc.(スキルズ)です
Skillzってどんな会社?
Skillz Inc.(SKLZ)は、スマホゲームでeスポーツ大会を開催することのできるプラットフォームを開発・運営している企業です。
プレイヤーは大会への参加費という形でお金を賭けることができ、勝つと賞金がもらえます。
大会(competition)というと大規模なものに思えますが、実際は数人の対戦で参加費も0.25ドルからという程度のものです。
また一部のプロゲーマーが無双して賞金を独占してしまいそうな感じがしますが、独自のアルゴリズムで同じようなレベルのプレイヤーが選出されるようになっているため、一般ゲーマーも多く参加しているようです。
SKLZの魅力
この会社の魅力はずばり、ゲームを収益化する新しいモデルを発明した点です。
今までは
・買い切り
・広告
・課金
などがゲームの主な収益モデルでした。
一方Skillzは、ゲーム大会の参加費という形で収益を上げています。
「買い切りだと売り上げを上げづらい…」
というスマホゲーム開発者と
「もう広告ばかりのゲームはうんざり」
「課金しないと進めないゲームなんてやってられない」
というゲーマーのニーズを引き合わせた形ですね。
また「ゲームで儲けたい!」という層も取り込むこんでいます。
スマホゲーム市場は拡大し続けていることも考えれば、成長の余地と需要は大いにありそうです。
CEOはどんな人?
Skillz のCEOはアンドリューパラダイスという方です。

(氏のツイッターより)
7歳の時にゲームをハッキングしてプログラミングを覚えたそうです。すごい…
さらにベンチャーキャピタルとプライベートエクイティに勤めた後、会社を二つ立ち上げどちらもバイアウトさせているという経歴をもっています。
技術力と商才の両方を兼ね備えたCEOですね。
学歴としては、マサチューセッツ大学アマースト校の文学士、オークランド大学の商学士を持っています。
粗利率がすごい
決算も見てみましょう
2019年から2020年で
売り上げ高がY/Y92%
(120M→230M)
粗利がY/Y91%
(218M→114M)
粗利率はなんと95%!
粗利率は、その会社の製品やサービスがどれほど付加価値を生んでいるかの指標になるためとても重要です。Skillz はその点◎だと言えるでしょう。
一方、当期純損失は23Mから増えて122Mになっています。
ただしこれは主に営業とマーケティングにかかる費用を大きく増やしていることが原因であり、これに伴って売り上げを大きく伸ばせているため、一概に悪いことだとは言えません。
他には
GMV(Skillzの場合は参加費の合計額)がY/Y79%
(886M→1592M)
MAU(月当たり利用者数)がY/Y62%
(1.6M→2.6M)
ARPU(ユーザー当たり売上)が$6.30→$7.49
という感じでした。
このままの勢いでユーザーの数増やせるか、それか ユーザー当たり売上を増やせる か、今後の決算で注目のポイントだと思います。
eスポーツ…なのか?
これまでSkillzをeスポーツ銘柄として紹介してきましたが、少し違うように思います。
Skillzのゲーム一覧を見てみましょう

ソリティア、ビンゴ、21(ブラックジャックの亜種)、ビリヤード、ドミノ…
なんだかアナログゲームのスマホ版みたいなものばかりな気がしませんか?
eスポーツというと最新!ハイテク!な感じがしますが、Skillzのゲームはそれとはかなり異なっています。
むしろ賭博場にありそうなものなので、オンラインカジノと言った方が妥当なのではないでしょうか。
そう考えると比較すべき同業他社は、エレクトロニックアーツ(EA)のようなゲーム企業というより、ドラフトキングス(DKNG)のようなベッティング企業になるのではないでしょうか。
ベッティングは、法規制のリスクや賭博が非合法の国での展開という問題を抱えています。
しかし近年では賭博を合法化する国や地域が増えてきました。
この波にうまく乗れるかによって、 Skillz の明暗は分かれるでしょう。